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相続人の一人が不在で行われた遺産分割協議は有効?

Q.兄弟姉妹のうちの一人が海外出張でいない間に、ほかの兄弟姉妹だけで遺産分割をしてしまいました。このような場合この遺産分割は有効なのでしょうか?
A. まずはこの不在の兄弟姉妹の方を勝手に他の相続人の方が署名し、(実印を)捺印してしまって遺産分割協議書を作成してしまった場合ですが、日本の場合、税務署に申告する遺産分割協議書は記名式なので相続人個々の住所をMSWordワードなどで作成し、署名捺印して実印を押印すれば十分要件を満たします。
ですから、不在者の実印や印鑑カードを他の相続人の方が所持していると実印の押印と印鑑証明書があれば通ってしまいます。
ただ最近金融機関などでは自筆で住所、氏名を書くことを要件としているところもありますが、筆跡鑑定までは行っていません。
さて次に相続人の一人を除外していた場合ですが、これは法的には問題があります。 除外された当人が遺産分割のやり直しを主張した場合、遺産分割のやり直しのために税務署が申告期限を延ばしたり、いったん申告したものを無効にしてくれることはありえないでしょう。これは相続人間の問題で、税務署には一切関係ありませんので、払うものは払ってください、ということになります。
要するに最初の遺産分割協議書が成立している限り、税務署は期限までにきちんと相続税を納めなければペナルティを科しますし、滞納した場合の延滞税や、無申告加算税もかかってきてしまいます。
そうなると遺産分割協議から除外された当人だけの問題では済まず、すでに協議を終えて安心しているほかの相続人の方たちにも大きな損害をもたらしてしまいます。
結論として遺産分割協議を行う場合は、不在の方だけでなく、専門家に依頼して相続人調査を十分に行い、行方不明者や養子に出た相続人、認知されている非嫡出子などが漏れていないかを把握してから行うことです。
相続法務指導員 川島幸雄
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行政書士 宅地建物取引主任者
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