埼玉県羽生市の身近な相続・遺言相談室

遺言書を作成するときの注意点について

遺言書で避けた方が無難な内容

1.公序良俗に反する内容
社会通念に照らして許されないことを法律では、「公序良俗に反する」といいますが、社会の一般的秩序や習慣などに合わないような行為は法律では許されません。 例えば配偶者がいても別居中であったり、離婚訴訟中だったりで、その腹いせなのか「全財産を愛人にあげる」などという、配偶者を無視した遺言は、トラブルになるでしょう。
2.意味不明な内容
ただ思いつくままに書き連ねても、結果的になにが言いたかったのかわからなくては遺言した意味がありません。 もちろん遺言は金銭や土地不動産を誰に相続させる。というものだけでなく、今までお世話になった人への感謝の気持ちや、子どもたちに配偶者であるお母さんをよろしく頼む。といったことを託することができます。 だれになにをどうしてほしいのか、だれにどういう気持ちを伝えたかったのか、要点をよく整理して、わかりやすい内容にしましょう。
3.言行不一致な内容
生前よく口に出していたこと、特に長男のお前には土地建物を、二男のお前には銀行預金をあげよう、などと言っていたにもかかわらず、いざ遺言書を開いたら、まったく違った内容になっていたり、見たことも聞いたこともない人物に財産を分け与える、などと書かれていたら相続人間であらぬ疑惑が生じたり、反発が起こります。
4.遺族を中傷するような内容
特定の相続人を名指しして、「あんなバカ者には私の財産はビタ一文やらん!好き勝手し放題で、親不孝者で・・・・」などとただ批判、中傷するだけの内容では当の本人が感情的に反発し、相続人間でまとまるものもまとまらなくなってしまいます。どうしても特定の方への配分を抑えたり、増やしたりしたい場合は、増やしたい方に対する理由、背景などを強調するほうが無難でしょう。 例えば「二男の○○は夫婦そろって親の面倒をよく見てくれたので」とか「長男の○○はずっと事業を手伝い、苦楽を共にしてくれたので」土地と家屋を相続させる、とか「二男夫婦に配偶者の面倒を見てほしいので」○○銀行の預金をすべて相続させる、というような書き方をすれば他の相続人の理解を得られることでしょう。

遺留分に注意

遺留分に注意 をご参照ください。

無効になってしまう自筆証書遺言

1. パソコンで遺言書を作成した場合
自筆証書遺言は、遺言者本人が最初から最後まで自筆で書かなくてはなりません。 一言一句すべてです。一字でも他人が書いたり、加筆、消除したものは無効です。
2.夫婦が共同で遺言書を作成した場合(共同遺言の禁止規定)
民法では、遺言は「二人以上の者が同一の証書でこれをすることはできない」と規定しています。ですから夫婦が二人で一つの遺言書に遺言することはできません。  どうしても夫婦で相談をして財産をどのように処分したか決めたいときは、夫婦で決めた内容をどちらか一方の名前で書くか、夫婦が別々に書くことです。  いずれにしても二人の署名・押印がある遺言書は無効です。
3.署名だけされて押印がなかった場合
自筆証書遺言の場合や秘密証書遺言の場合に特に多いケースですが、押印がないと遺言書は無効です。自筆で遺言を書いたときは、書き終わった時点で必ず押印しましょう。後で押せばいいと思っていると、つい忘れてそのまま封入してしまいます。  せっかくすべてを自筆で書き終えたとしても、押印がなければ遺言は無効です。 また遺言書に押す印鑑は、実印が望ましいでしょう。遺言者の意志をきちんと示すためです。
4.作成した日付が書かれていなかった場合
遺言書に日付が必要なのは、作成時点において遺言者に遺言するだけの能力があったかを判断する重要なポイントになるからなのです。 また内容が矛盾した遺言書が二通以上出てきた場合、矛盾する点については新しい(後からの)日付の遺言の方が有効とされるからです。
5.遺言書が改ざんされた場合
遺言書の訂正、変更、取り消しなどは、遺言者本人でなくてはできません。 ですからこれらの行為が他人によってなされたものであった場合は、改ざんそのものが無効となります。ただ改ざんされていない部分は有効です。遺言者の意志ではないわけですから、遺言全体が取り消されることはありません。  遺言書の改ざんを相続人がした場合は、その相続人は相続の開始時点にさかのぼって相続人の資格を失います。(相続欠格)
6.遺言書が他人の手で書かれた場合や自筆だと証明できない場合
自筆かどうか争われる場合は主に筆跡鑑定に頼ります。 また字が下手だからとか、面倒くさいからという理由で他人に書いてもらったものはもちろん無効ですが、病気などで文字が上手く書けないので、介添えしてもらった場合などは病気の程度により、有効無効が判断されるでしょう。
7.遺言の文字が判読できない場合
一つは、遺言書が破損していたり、文字が薄れていたりして判読できない場合その部分は無効です。もちろん破損は遺言者によるものの場合です。他人による破損が相続人による意図的なものの場合は相続欠格として遺産を受け取る権利を失います。  またもう一つ汚れなどにより判読不可能の場合はその箇所は無効となります。
8.遺言書に書かれていた財産が存在しない場合
遺言書であげると書かれていた土地・家屋がすでに売却されていたりして遺言者の所有地でなかった場合など、相続開始時点で指定された財産が処分されていると、この遺言は取り消されたものとみなされます。無効です。ないものはもらえません。
相続法務指導員 川島幸雄
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相続法務指導員 川島幸雄
行政書士 宅地建物取引主任者
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